ポスターデザイン

医療従事者向け学会発表ポスターの作成ガイド

ケンタロー

医療従事者が学会で発表する際、ポスター作成は重要なスキルです。

効果的なポスターは、研究内容を明確に伝えるだけでなく、視覚的にも訴求力を持たせることが求められます。

本記事では、ポスター作成の具体的なステップをガイドラインとして紹介します。

ポスターのサイズと型式

学会によって指定されるポスターのサイズは異なりますが、一般的に以下のサイズがよく使用されます。

  • 縦180cm × 横90cm:多くの学会で採用される標準サイズ
  • A0サイズ(841mm × 1189mm):印刷や持ち運びに便利なサイズ

事前に学会の指定サイズを確認し、ポスター番号やタイトルの表示形式も把握しておきましょう。

各学会によって異なる可能性があるため、ルールに沿った準備が不可欠です。

注意点

PowerPointで作成する場合、このサイズでは作成できません。

なので、2分の1のサイズにして縮小します、(縦90cm×横45cm)

※フォントも同じで40pt→20ptで作成しましょう。

内容の構成

ポスターは「小さな論文」として考え、以下の要素を含むことが理想です。

タイトルと著者情報

多くのポスターは、発表番号を添付するために左上に20cm ×20cmのスペースを開けておく必要があります。

その上で、タイトルと著者情報のポイントは下記になります。

  • タイトル:短く明確に、研究の主題を的確に伝える
  • 著者名・所属機関:フォントサイズは70〜100ptとし、見やすさを重視してわかりやすく配置する

背景と目的

  • 背景:研究の動機や関連する文献の簡潔な紹介
  • 目的:具体的な研究の目標を明確にし、重要性を強調します

方法

使用した実験や調査手法をわかりやすく説明します。

再現性があるように詳細に記載し、理解しやすいよう工夫しましょう。

結果

結果を視覚的に伝えるため、可能な限り図表を使います。

複雑なデータをシンプルにまとめ、読む側が直感的に理解できるレイアウトが重要です。

結論と考察

  • 考察:結果の解釈を行い、他の研究との比較や今後の課題を提示します
  • 結論:研究の成果を簡潔にまとめ、意義を強調します

参考文献

参考文献では、使用した文献のリストを作成します。(番号リストが好ましいです)

記載すべき大切な内容ではありますが、発表においては重要度は劣るため、スペースがなければフォントを小さくしてでも問題ありません。

デザインとレイアウト

ポスターの視認性とレイアウトは、メッセージの伝達力に大きく影響します。

フォントと配色

基本的なフォントサイズ、フォントの種類、色使いのポイントを下記に示します。

  • フォントサイズ:タイトルは70〜90pt、本文は32〜40ptが目安
  • フォント:視認性の高いフォント(メイリオや游ゴシック、ヒラギノ角ゴシックなど)を選び、読みやすさを重視
  • 色使い:シンプルな配色にし、アクセントカラーを用いて重要な情報を際立たせる

余白と視線の動き

  • 余白:詰め込みすぎを避け、余白を適度にとることで読みやすさを確保
  • 視線の誘導:逆N型やZ型のレイアウトを採用し、自然に重要な情報へ視線を誘導
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完成後のチェックポイント

ポスターが完成したら、次のステップで確認しましょう。

  • 誤字脱字:小さなミスがないか丁寧にチェック
  • レイアウトのズレ:文字や図表の位置が崩れていないか確認
  • 第三者の意見をもらう:他の人にも見てもらい、改善点を指摘してもらう
  • PDF出力:最終確認としてPDFで保存し、拡大しても崩れないか確認

まとめ

効果的な学会発表ポスターを作成するには、内容の構成とデザインのバランスが重要です。

わかりやすいレイアウトで研究のポイントを明確に伝えることができれば、学会での評価が高まります。

また、ポスター作成は一度で終わらず、何度も見直しを行うことが成功へのカギです。

最終的には、研究の価値を最大限に引き出す表現を追求しましょう。

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ABOUT ME
ケンタロー
ケンタロー
医局デザイン担当
普段は泌尿器科専攻医として勤務。医局主催の研究会では、抄録集、ポスター、幕間スライド、QUOカードのデザインを担当。 研修医時代、発表した症例は特に珍しいものではなかったが、スライドデザインと発表技術が評価され、銀賞を受賞。 現在では、自分だけにとどまらず、ココナラなどの外部サービスを通じて、スライド作成のサポートも行っている。
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