口頭発表かポスター発表か?学会発表の失敗しない選び方
学会発表の発表形式って、口頭発表とポスター発表ではどっちがいいんだろう…?

初めての演題登録。いざ登録しようとして、「発表形式」の選択画面で手が止まっていませんか?
先輩に相談しても、
「どっちでもいいよ」「気にしなくていいよ」
と返されがちです。
しかし、学会発表における口頭発表とポスター発表では、情報の伝わり方がまったく異なります。
ここを曖昧にしたまま適当に選ぶと、スライドを作る時に苦労したり、「内容は悪くないのに伝わらなかった」という残念な結果になりやすくなります。
- 泌尿器科3年目(医師5年目)
- 地方会ベストプレゼンテーション賞を受賞
- 医局の公認デザイン担当として、学会関連資料の作成
- ココナラでの資料作成サービスで総売上30万円以上
結論から言うと、発表形式は以下の2軸で決めるのが正解です。
- 自分のコミュニケーションスタイル
- 症例・研究の「視覚的な強さ」
もし発表形式が指定されていたとしても、この記事を読めば「それぞれの攻略法」がわかります。迷いをなくして、準備の一歩目を踏み出しましょう。
学会発表の基本|「聴かせる」か「見せる」か
学会発表の形式は、大きく分けて2つです。
これは優劣の問題ではありません。違うのは「情報の伝わり方」です。
- 口頭発表:時間軸に沿ってストーリーを「聴かせる」形式
- ポスター発表:一枚のグラフィックで情報を「見せる」形式
まずは、この「役割の違い」を押さえることが重要です。
口頭発表|ストーリー重視の「映画」スタイル
論理展開や、経過のドラマ性を伝えたいなら「口頭発表」が向いています。
口頭発表は、発表者が時間を完全にコントロールできる形式です。
映画のようにスライドが順番に切り替わり、聴衆はその流れに乗って話を聞きます。
つまり、「AだからB、BだからC」という思考プロセスを、強制的に共有できるのが最大の強みです。
口頭発表が向いているのは、次のような例です。
- 診断に難渋した症例(鑑別の思考過程などの謎解きが重要)
- 手術手技の工夫(動画や工程説明が必要)
- 論理構造が明確な研究(仮説→検証→結論の流れ)
口頭発表のスライドは「1スライド1メッセージ」が鉄則です。
聴衆は耳で話を聞いているため、スライドの文字を読む時間がありません。
文字は極限まで減らし、図・フロー・強調ポイントを使って、パッと見た瞬間に意味が入ってくる構成を意識しましょう。
ポスター発表|一覧性重視の「展示」スタイル
画像一発で惹きつけたい、または対話を重視したいなら「ポスター発表」です。
ポスター発表は、美術館の展示のようなものです。
聴衆は興味のある部分だけを見ますし、最初は「流し見される」のが前提です。
その代わり、足を止めてくれた相手とは、じっくり双方向のディスカッション(対話)ができます。
ポスター発表が向いているのは、次のような例です。
- 「撮れ高」のある症例(一目で異常がわかるCT・MRI画像など)
- データ重視の研究(結果の数値やグラフが主役)
- 交流重視のテーマ(他施設の医師とじっくり意見交換したい)
ポスターは「最初の3秒」が勝負です。
通り過ぎる人の足を止めるために重要なのは、以下の2点だけ。
- 離れていても読める「大きな見出し」
- 一番伝えたい「メイン画像」の配置
細かい文字は、近づいてくれた人しか読みません。
まずは視覚的なインパクトを優先しましょう。
選び方の基準|迷ったら「自分のキャラ」で選ぶ
もし形式の希望を出せるなら、「自分が当日どう振る舞いたいか」で決めて問題ありません。
無理をして苦手なフィールドで戦う必要はないのです。
口頭発表を選ぶべき人
- 大勢の前で話す度胸をつけたい
- 原稿を作り込み、練習通りに話すのが得意(脚本重視)
- ストーリー構成で勝負したい

制限時間は必ず守ってくださいね。
タイムマネジメントも評価される重要なスキルです。
ポスター発表を選ぶべき人
- 注目を一身に浴びると緊張して頭が真っ白になる
- 少人数での会話形式のほうが力を発揮できる(対話重視)
- 相手の反応に合わせて説明を変えたい

原稿の棒読みは避けましょう。
相手の反応を見て説明を調整する「アドリブ力」が鍛えられます。
まとめ|形式が決まれば、準備の8割は終わる
いかがでしたでしょうか。あなたにあった発表方法を選べそうですか?
最後にまとめです。
- 口頭発表は「映画(ストーリー)」、ポスターは「展示(ビジュアル)」。
- 論理展開重視なら口頭、画像インパクト重視ならポスター。
- スピーチ派は口頭、対話派はポスター。
まずは手元の資料を見て、「一発で伝わるキー画像があるか」を確認してください。
- ある →ポスター発表を検討
- ない → 口頭発表でストーリー構成
発表形式を正しく選ぶだけで、スライド作成の難易度は下がり、準備の負担は大きく減ります。
最初の一歩を、自分が戦いやすい場所から踏み出してください。

