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【保存版】医療スライド作成完全ガイド|準備〜デザイン〜発表まで徹底解説

ケンタロー

いきなりパワポを開くのは、今日で終わりにしませんか。

学会発表、症例報告、院内勉強会。

医療者である限り、どこかのタイミングでスライド・資料を作る仕事からは逃れられません。

そして多くの人が、こうした悩みを抱えています。

  • スライド作成に異様に時間がかかる
  • 頑張って作ったのに “伝わらない” と言われる
  • とりあえずパワポを開いて作り始めてしまう
  • 何から手をつければいいのかわからない

これらには、実は共通の原因があります。

Contents
  1. 原因は「手順」──デザインの良し悪しではない
  2. 解決策は「流れ」──誰でも再現できる3フェーズ
  3. なぜこの流れでうまくいくのか?
  4. この記事が提供できる未来
  5. Phase1:構成 ─ PCを開く前の「紙とペン」で8割決まる
  6. Phase2:設計 ─ 「見やすさ」は再現できる技術
  7. Phase3:視覚化 ─ 画像・グラフ・表を“伝わる道具”に変える
  8. Phase4 ─ 仕上げ:アニメーションとリハーサルで“伝わり方”が決まる
  9. まとめ ─ スライド作成は「型」で必ず上達する

原因は「手順」──デザインの良し悪しではない

スライドがうまく作れない人は、デザインセンスがないわけではありません。

正しい順番で作っていないだけです。

極端な例を出すなら、

「手術室に入ってから術式を考える」ようなもの。

本来スライド作りは、

  • 何を伝えたいのか
  • どんな流れで話すのか
  • 誰に向けた発表なのか

これらを紙の上で決めてから PowerPoint を開くべきです。

しかし現実には、多くの医療者が

パワポを開きながら考えるという“逆の順番”で作業してしまっています。

だから、

  • 余計なスライドが増える
  • 言いたいことが伝わらない
  • 修正が増えて時間ばかりかかる

という負のループに陥ります。

解決策は「流れ」──誰でも再現できる3フェーズ

安心してください。

資料作成には、誰が実践しても成果が出る再現性のある手順があります。

結論、スライド作成の正しい流れはこの3つだけです。

スライド作成の“3段階プロトコル”

フェーズ役割結果
Phase1:構成PCを開く前に内容とストーリーを固める無駄なスライドが消える/伝わりやすさが決まる
Phase2:設計見やすさを決めるデザイン作業受け手の負担が減り、信頼感が生まれる
Phase3:仕上げアニメーション・リハーサル伝わり方と完成度が跳ね上がる
ケンタロー
ケンタロー

つまり、「構成 → 設計 → 仕上げ」の順で作るだけで、スライドは劇的に変わります。

なぜこの流れでうまくいくのか?

ここからが本質です。

スライドは “情報整理のアウトプット” であり、

“デザインのアウトプット” ではありません。

つまり、

デザインは最後でいい。

先に伝える内容の整理をしない限り、どれだけデザインを整えても「伝わるスライド」にはなりません。

逆に言えば、

  • デザインが苦手でも
  • センスがないと思っていても

正しい順番を守るだけでスライドは見違えるほど良くなるということです。

この記事が提供できる未来

この先に書いてある内容を一つずつ実践するだけで、

  • スライド作成時間は激減する
  • 聞き手の理解が驚くほどスムーズになる
  • 「わかりやすかった」「聞きやすかった」と言われる
  • 発表の手戻りがほぼなくなる
  • デザインを武器にできる

ここからは、3つのフェーズを順番に深掘りしていきます。

まずは最重要であり、多くの医療者が見落としているPhase1「構成」から始めましょう。

Phase1:構成 ─ PCを開く前の「紙とペン」で8割決まる

多くの医療者がつまずく最大のポイントはここです。

スライド作りは、パワポを開く前が勝負。

スライドは“デザイン”ではなく“情報設計”のアウトプットです。

つまり、内容の整理ができていない状態でパワポを触っても、必ず迷走します。

では、Phase1では何をするのか?

やることは4つだけです。

構成を決めるためにやることリスト
  1. ターゲット設定 ─ 誰に向けて話すのかを決める
  2. ゴール設定 ─ “何を達成したいスライドなのか”
  3. ストーリーボードを紙で作る ─ PCではなく“紙”が最速
  4. 型(テンプレ)を使う ─ プロは型を捨てない

① ターゲット設定 ─ 誰に向けて話すのかを決める

スライドが伝わらない理由の8割は、ターゲットの曖昧さです。

対象者によって、

  • 説明の深さ
  • 専門用語の許容量
  • スライドの枚数
  • ゴールの設定 がすべて変わります。

例として比べてみましょう。

想定する聴衆重視するポイント避けるべき落とし穴
専門医データの解釈/研究の位置付け基礎概念の説明が不要に長い
研修医概念・プロセスの理解情報過多で迷子になる
看護師・コメディカル臨床での判断や手順理論ばかりで実践が見えない
患者比喩・図解で理解できること専門用語の羅列

同じテーマでも、ターゲットが変われば資料は別物になります。

ケンタロー
ケンタロー

ここで決めたいのは一言でいうと、 「この発表を聞き終わったあと、誰にどんな状態になっていてほしいか」 です。

② ゴール設定 ─ “何を達成したいスライドなのか”

スライドは「説明」ではなく目的達成の手段です。

目的が曖昧だと、発表は必ず迷走します。

例)

  • 情報共有
  • 臨床での行動変容
  • 治療方針の提示
  • 問題提起
  • データの解釈・議論
  • 提案・依頼

目的が決まると、

必要なスライド・不要なスライドが自動的に決まります。

失敗談からの学び

研修医の頃、僕は20枚以上のスライドを作って持っていきました。

しかし上級医に言われたのは、たった一言。

上級医
上級医

「これは、結局何を伝えたいの?」

あの瞬間こそ、“構成の重要性”を痛感した場面でした。

③ ストーリーボードを紙で作る ─ PCではなく“紙”が最速

ここが最も効果の大きいポイントです。

紙に構成を書くと…

  • 無駄なスライドが消える
  • 話の流れが自然につながる
  • 説明の重複に気づける
  • 聞き手の負担がイメージしやすい

逆にPCでいきなり作ると…

  • 「どこに置くか」「何を書くか」を同時に考えてしまう

→ 脳がパンクして時間がかかる

構成の例(症例報告)
  • タイトル:症例の要点を一言でまとめる
  • 背景・目的:この症例を報告する必要性・意義を明確に述べる
  • 症例:主訴、現病歴、既往歴、常用薬、家族歴、生活歴など
  • 身体所見:バイタル、診察所見
  • 検査所見:血液検査、尿検査など
  • 画像所見:X線、CT、MRIなど
  • 生理所見:心電図、超音波など
  • Problem、Assessment
  • 治療経過
  • 考察:過去の文献を交えて問題解決にどこまで迫ったかを限界を踏まえて考察
  • 結論:今回の症例を経験して得られた結論
  • 簡単な概要とキーメッセージ
  • 参考文献:引用した際にその都度記載するが、最後にまとめておく

紙に“箱”として並べるだけでOKです。

ケンタロー
ケンタロー

ストーリーボードを作成して、発表の構成を「見える化」しましょう!

④ 型(テンプレ)を使う ─ プロは型を捨てない

型を使うと、構成ミスがほぼゼロになります。

研究発表IMRAD(Introduction / Methods / Results / Discussion)
症例報告(ケースレポート)主訴 → 現病歴 → 検査 → 経過 → 考察
1スライド1メッセージ1枚で1つだけ伝える

僕の発表に劇的改善が起きた理由

僕が地方会ベストプレゼンを受賞したとき、

特別な技術をしたわけではありません。

テクニックを増やしたのではなく、余計なものを削った。

そして何より、

“1スライド1メッセージ”を徹底しただけ。

これだけで、聞き手の理解度が一気に変わります。

ケンタロー
ケンタロー

ベストプレゼンテーション賞をいただいたときのことは、こちらの記事で深掘りしております。


Phase1のまとめ
  • PowerPointは後でいい
  • PCではなく、紙で構成を作る
  • 「誰に」「何を」「どう伝えるか」を最初に決める
  • 型を使えば迷わない
  • 1スライド1メッセージは絶対ルール

構成が完成した時点で、

スライド作成の8割は終わっています。

ここまでできた人だけが、

初めてパワーポイントを開いてOKです。

次のフェーズでようやく“デザイン”が登場します。

Phase2:設計 ─ 「見やすさ」は再現できる技術

構成さえ固まれば、次はようやく“デザイン”に進みます。

ただし勘違いしてはいけないのは、デザインはセンスではなく再現可能な技術だということです。

必要なのは3つだけ。

  1. レイアウト(配置)
  2. タイポグラフィ(文字)
  3. 配色(色)

デザインが苦手な人の多くは、

この3つを“同時に”考えようとするから迷走します。

ポイントは 順番通りに積み上げることです。

① レイアウト ─ スライドの骨格を決める

レイアウトは「情報の優先順位」を決める作業です。

意識すべきは3つだけ。

視線の流れ(Zの法則)左上 → 右上 → 左下 → 右下の順に視線が流れる
端を揃える(整列)そろっているだけで“信頼感”が生まれる
余白は“空き”ではなく“意味”間隔=情報の区切りとして使う

視線誘導の例

・文字と図がランダム

・行間が詰まり、視線が泳ぐ

タイトル

大きな図 → 右にポイント3つ

結論(1行)

ケンタロー
ケンタロー

視線を迷わせないスライドは、それだけで「優秀」に見えます。

大きな会場だと後ろの席からスライド下部が見えにくい時があります。その場合は、「結論をタイトルの下に置く」のもありです。

② タイポグラフィ ─ “読ませる”ではなく“見せる”

医療スライドは8割の人が文字を詰め込んでしまいます。

しかし現場で重要なのは、「読む」ではなく「視覚的理解」です。

文字の鉄則は以下の通りです。

項目推奨
フォントメイリオ / ヒラギノ / 游ゴシック
本文サイズ24pt以上
行間1.2〜1.4
1行の文字数最大30文字ほど
1スライドの文字量箇条書き3〜5行が限界

特に重要な原則はこれです。

読ませず、見せる。

文字を小さくして情報を詰め込むほど、伝わらなくなります。

視覚的理解の例

「本症例では○○治療を施行し、治療開始から約3ヶ月で腫瘍縮小を認め、その後…」

・○○治療を施行

・3ヶ月後:腫瘍縮小

・経過良好

ケンタロー
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同じ内容でも“視覚で理解できる形”にすることが評価につながります。

③ 配色 ─ 色は4色しか使わない

色選びは多くの医療者が悩むポイントですが、実は驚くほどシンプルです。

使う色は 4色のみ

  • ベース(背景)
  • テキスト(本文)
  • メイン(図形や強調)
  • アクセント(重要箇所だけに使う)

医療スライドで特に注意すべきは「赤」です。

赤は “注意・危険・否定” の色なので、多用すると不安を煽ります。

赤の使い方

ここだけは絶対にポイント

赤でタイトル・赤で図形・赤で強調を多用

ケンタロー
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アクセントは必要最低限が美しいスライドの条件です。


Phase2のまとめ
  • デザインはセンスではなく“再現できる技術”
  • 3原則の順番が大事 ① レイアウト → ② 文字 → ③ 色
  • 「視線誘導・視覚的理解・極力少ない色」が医療資料の最適解

ここまでできれば、スライドはすでに見やすい状態になっています。

次のフェーズでは、視覚化で“理解の速さ”を最大化します。

Phase3:視覚化 ─ 画像・グラフ・表を“伝わる道具”に変える

ここでは 資料の理解スピードを最大化することが目的です。

そのために扱うのは3つ。

  1. グラフ
  2. 医療画像
  3. 表(Table)

① グラフ ─ “飾る”のではなく“解釈しやすくする”

最優先は ノイズを消すことです。

研究データを扱うほど、視覚ノイズが発生しやすくなります。

グラフのポイント
  • 3Dグラフは使わない
  • 不要な補助線・目盛り・罫線を消す
  • 数字は多すぎないよう厳選
  • 比較対象は色で明確に区別

つまり、 バラバラのデータを見せたいのではなく、解釈を一瞬で導くことをゆうせんしましょう。

② 医療画像 ─ 伝わる画像の条件は「切り取り方」

CT / MRI / 病理写真などは、

“そのまま貼るだけ”だと理解しづらい資料になってしまいます。

医療画像のポイント
  • 必要な部位だけにトリミング
  • 明瞭な矢印(アノテーション)を置く
  • 画像のコントラストを整える
  • Before / Afterは横一列に並べる

医療画像の例

CT画像をそのまま全面に表示

左側:Before(腫瘍)

右側:After(治療後の縮小)

→ 矢印を添えて、変化を一瞬で理解できるように

ケンタロー
ケンタロー

トリミングしすぎて「これ、なんの臓器?」とならないようにしましょう。

③ 表(Table) ─ 美しさの9割は「削除」で生まれる

表は“線を引きすぎる”のが失敗の原因です。

表のポイント
  • 縦線を消す
  • 余白を広く取る
  • 強調は色ではなく字体で行う

ビフォーアフター

縦横びっしりのグリッド線/情報過多

横線のみ/余白多め/情報を3〜5に整理

ケンタロー
ケンタロー

表が整理されると、資料全体の印象が一気に洗練されます。


Phase3のまとめ
  • 視覚化の目的は「理解スピードの最大化」
  • グラフ・画像・表は“装飾”ではなく“情報の翻訳”
  • 削る → 見せる → 読ませない が最強の順番

ここまでで、 Phase1(構成)/Phase2(設計)/Phase3(視覚化) が完了しました。

次が仕上げです。

Phase4:アニメーションと発表練習 ─ 当日の説得力を最大化する方法 へ進みます。

Phase4 ─ 仕上げ:アニメーションとリハーサルで“伝わり方”が決まる

構成・設計・視覚化までできたスライドは、すでに高い完成度です。

しかし 本番の印象を左右する最終工程 が残っています。

それが

  1. アニメーション
  2. リハーサル(動作・投影・音声のチェック)

です。

① アニメーション ─ 「盛る」のではなく「理解を助ける」

アニメーションは派手にすれば評価されるものではありません。

学会発表の世界では特に、過剰な演出は逆効果です。

使うべきアニメーションは たった2種類だけ

使っていいアニメーション理由
フェード自然に情報が追加され、視線誘導に最適
アピール“ここに注目してほしい”部分だけに使える

これ以外は原則使いません。

NG例

  • ズーム
  • スライドイン
  • 回転
  • ワイプ
  • バウンス
  • …etc

これらは「遊んでいるように見える」リスクがあり、

医療・学会の場では評価を下げます。

ケンタロー
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アニメーションは「強調」ではなく「整理」だと考えると失敗しません。

② リハーサル ─ モニターを見てわかる“隠れた崩れ”

ここまで仕上げた資料でも、

リハーサルなしで本番に挑むのは100%危険です。

なぜなら、プロジェクターで映すと見え方が変わるから。

  • 青は沈む(暗く見える)
  • 黄色は飛ぶ(明るすぎて白く見える)
  • 文字は小さく見える
  • 行間が詰まって見えることもある

さらに、声に出して読むと

  • 説明が長い部分
  • 重複スライド
  • 動線の悪い構成

がすぐに浮き彫りになります。

僕のルール(本番前の手順)

  • プロジェクターでスライドを映す(環境が整っているなら)
  • 本番同様に読み上げて通す
  • 3回つっかかった部分は構成から修正
  • 1スライドにつき話す時間をざっくり把握
  • 時間オーバーならスライド量ではなく原稿で調整

発表は“台本の暗記”ではなく“情報のナビゲーション”です。

ケンタロー
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台本を暗記するのではなく、スライドが映ったら「ここでは〇〇を話せばいい」がわかっている状態にしましょう。

まとめ ─ スライド作成は「型」で必ず上達する

改めて、この記事で伝えたいことはひとつです。

スライド作成はセンスではなく「正しい順番」で決まる。

その順番とは

  1. 構成(ロジック)
  2. 設計(デザイン)
  3. 視覚化(画像・図表・データ)
  4. 仕上げ(アニメーション・リハーサル)

この手順を守ることで、

  • 時間がかかる
  • 伝わらない
  • 手戻りが多い
  • スライド迷子になる

といった悩みはすべて消えます。

僕はこの流れを徹底したことで

  • 地方会ベストプレゼンテーション賞
  • 医局内の資料デザイン相談(医局デザイン担当)
  • ココナラでの依頼・指名

などにつながり、

「デザインに強い医師」として認識してもらえるようになりました。

ケンタロー
ケンタロー

これは誰でも再現可能です。

今日から3つだけでOKなのでやってみてください。

  • いきなりパワポを開かない
  • 紙に構成を書いてからPCへ
  • ①構成 → ②設計 → ③視覚化 → ④仕上げ

この順番を守れる人から、スライドが劇的に変わっていきます。

ABOUT ME
ケンタロー
ケンタロー
医局デザイン担当
泌尿器科専攻医。医局の公式デザイン担当として学会プログラム・ポスター・抄録集を多数制作。 自身の発表で地方会ベストプレゼンテーション賞を受賞。 ココナラで医療系スライド・ポスター制作サービスを提供し、累計30万円以上の実績あり。 医療とデザインの交わる世界がすきで、ブログでは「複雑な医療情報をわかりやすく伝えるコツ」を発信しています。
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